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みんなが一斉に違ったクラス名を言った者の顔を見る。
「あら〜私だけまた違うかー」
苦笑しながらかがみは言ったけど、無理してるのがバレバレだぞ。
「お姉ちゃん………」
「つかさよかったじゃない、みんなと一緒で」
今にも泣きそうなつかさ、オレやこなたやみゆきにも笑顔はなかった。
「ほら、辛気臭い顔をしない! あんた達はとっととB組に行った! 行った!」
かがみに追い立てられて、オレ達はB組の教室に向かった。
「あっ、悪い。オレ、トイレ」
オレがそう言ったのはかがみと別れて、B組の教室に向かう途中だった。
「分かりました。先に教室に行っていますね」
全くどうかしてるよなー! たかがクラス替えで!
オレは頭を掻きながら来た道を引き返した。
「いるよなー。自分の目標以外、目に入らない薄情くんてさー」
「いやっ、ちがっ………」
「わたしたち、さながら背景ですぜ」
かがみと話している2人は、かがみと一緒にいるとこを何度か見た事がある。
どうやらかがみと同じクラスになったみたいだな。
「……なんだよ、心配して損した………、うっ………」
愚痴って振り返ると、そこにはつかさが笑顔で立っていた。
「シンちゃん、お姉ちゃんを励まそうとしてくれたんだよね?」
「ち、違う! トイレに行っただけだ!! ついでだ! ついで!!」
「えへへ」
この様子だとこなたやみゆきも分かってるよな………。
「クソッ! ……行こうぜ」
そしてオレはつかさの頭を少し乱暴に撫でると、B組の教室に歩き始めた。