「そこの少年! アニメーション研究部に入らない?」

「ハァ?」

 学校の門を抜けるといきなり、オレは声を掛けられた。

「現在絶賛部員募集中! 今ならうるさい三年生もいないよ〜! さあ! さあ!」

「……オレ3年なんだけど………」

「えっ! ウソ!? ……先輩? ……失礼しましたー!!」

「いや、別に――」

「あの〜アニ研部に入りたいんですけど…ハード系ってありっスか?」

「いらっしゃ〜い!!わがアニ研は来るものは拒まず!詳しいことは………」

 オレとの会話をそれっきりにして、声を掛けてきた新入生に行くアニ研部の人………。

 一体なんなんだ?



「こうしてシンの恋は桜と共に散ったのであった………」

「なんだよ恋って!? 勝手にふざけたナレーション入れるな!」

「そう言えば、桜が咲き始めたよね〜」

 つかさの言葉にオレはふと近くにあった桜の木を見た。



「桜か………」

「なにあんた、桜嫌いなの?」

「いや、イメージがないだけだ。前のアカデミーの入学式の時に見た気はするけど、そん時は余裕がなかったし………」

「でも今年は桜をゆっくり見れるよね?」

 こなたは相変わらずのユル〜い顔でオレに聞いて来る。

「……ああ、そうだな」

 オレはこなたの肩を軽く叩いた。

「では諸君、次は新クラスを見に行くぞ〜!」

『おー!!』

 こなたの檄に威勢よく答えるオレ、つかさ、ゆたか。



「なんか嫌な予感がする………」

 その後ろでかがみがボソッと呟いた。





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