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「体の調子はどうですか、アスカ君?」
「大丈夫ですよ。どこもおかしくないし」
オレの後頭部を調べながら質問する天原先生に、ややめんどくさげに答える。
一応、事が事なのでオレは放課後、保健室に診察を受けること義務付けられていた。
「先生、泉こなたの事どうしても思い出さなきゃいけないんですか?」
このままだとオレは泉こなたの事を思い出すまで毎日保健室通いだろう。
バイトとかもあるし、それは出来れば勘弁して欲しい。
「そうですね…アスカ君が別に思い出さなくてもいいのでしたら、それでもいいと思いますよ?」
「え!?」
天原先生の予想外の言葉に、オレは思わず声を上げる。
「うふふ。アスカ君って思った以上に顔に出るんですね〜」
「うっ! ………」
天原先生のカマをまんまと食らってしまったオレは思わず呻く。
「さて、冗談はこれくらいにして
泉さんの事は昨日も言いましたけど、あまり考え過ぎないようにしましょうね。意識しすぎなければ自然に思い出しますから」
会話の主導権を握られたオレは、天原先生の言葉に頷くしか出来なかった。
天原先生に自然に、とは言われたが――
「明日あんた達のクラスで世界史の宿題が出ると思うわよ」
「マジかよ!? かがみ、出たら見せてくれ」
「あんたの中には自分でやるという選択肢はないのか………?」
「あの…私でよろしければお手伝いしましょうか?」
「ああ、頼む。1人じゃ出来そうにないしな」
「じゃあ、みんなで集まってわたしたちの家で勉強会しよ〜。わたしクッキー焼いちゃうよー」
泉こなたと普段どういう会話していたか思い出せないけど、
(そもそも今となっては会話してたかどうかすら怪しいけど)話をしなくても今みたいに全然困らないしな。
「アンタはどうする?」
なのに、なんでオレは泉こなたにわざわざ聞くんだ?
「……え? ……聞いてなかった、なに?」
「聞いとけよ!! 聞こえない距離じゃないだろ!?」
「……ご、ごめん………」
オレに怒鳴られしゅんとする泉こなた…そんな顔するなよ…オレが悪いみたいじゃないかよ………。
「もういい! 好きにしろよ!!
かがみ、この前貸してくれたラノベなんだけど………」
オレはやつ当たりに泉こなたを怒鳴ると、かがみ達との会話に戻った。