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「えー! お兄ちゃん本当に大丈夫なの?」
オレ達と合流したゆたかが心配そうにオレの方を見て来る。
「大丈夫だよー、ゆーちゃん。一部以外は異常ないから。」
「……でも、その一部って…お姉ちゃんの記憶なんでしょ?」
「先生も一時的って言ってたし、大丈夫よ。それに忘れられた奴はあんま気にしてないみたいだし」
「お姉ちゃん抑えて抑えて」
かがみはなぜかジロリと少女を睨み付ける。
「そうですね。こういう場合は無理に周りが急かしては余り良くないかもしれませんね」
「そ、そうですよね。お兄ちゃんごめんなさい」
「ゆたかが謝ることはないって、オレを心配してくれたんだろ?」
オレはゆたかを安心させるため、笑って見せる。
天原先生にも言われたがこういう場合焦れば焦るほど泥沼にハマっていくだけだ。
無理に思い出さなくてもこの少女が、オレにとっての大切な人ならすぐに思い出すだろうからな………
「それよりゆたか、例の子には会えたのか?」
「うん! それも同じクラスだったんだよ!」
「そりゃよかったな。だから大丈夫だって言ったろ?」
「うん!」
「しっかりしてそうな子だったし、あの子ならゆーちゃんを任せられるよ」
「こなちゃん、会ったの?」
「うん、休み時間にゆーちゃんと保健室を探しているところにバッタリ会ってね。
でもいいキャラ属性してたね〜」
少女は思い出しているのか、遠くを見つめた。
「何よ? そのキャラ属性って?」
「綾○や○門にも勝るとも劣らないクール無口っ子属性だったよ」
「誰だよそいつら? 芸能人か?」
オレの問い掛けに少女はこちらを振り向いて首を傾げるが、すぐにユルい顔(こういう言い方しか思いつかない)顔になり
「シンってば、記憶無くした方が冗談が上手くなってるね〜☆」
何がうれしいのか少女はオレの背中をバシバシと叩いた。
オレはそんな気全くしないんだけどな………。
「そうだ、言うのを忘れてた」
「えっ、何?」
「少しの間迷惑を掛けるけど、よろしく頼むな」
オレは少女に右手を差し出す。
「うん。これをクリア出来たら、わたしエンドだもんね♪」
訳の分からない事を言いつつ、少女はオレと握手をしてくれた。
「おはようございます」
「おはよ、シンちゃん」
「ああ、っはよ」
「あれ? 今日はこなたと一緒じゃなかったの?」
「ハァ!?」
かがみの質問に自分でも語気が荒くなってるのが分かる。
「なんでオレがアイツと一緒に登校しなきゃいけないんだよ!?」
オレの言い放った言葉にかがみ達は目を丸くした。