ポカーンとこっちを見てるこなたに、オレの苛立ちがますます募る。

 本当にコイツは何もわかっちゃいない



「フン」

「待った、待った、ストーップ!」

 踵を返して部屋に戻ろうとするオレを、こなたが呼び止める。

「なぜにどうして、そんなに怒ってるの?」

「…………」

「あのね、君の悪いところは、……たくさん、あるけど」

「オイ」

 説得するのか、それとも余計に怒らせたいのか

 もっとも考えるだけ無駄だ

 コイツは本当に何も考えちゃいないんだからな



「そうやって、ちゃんと理由を言わずにキレるのはよくないと思うよ」

「くっ………!」

 堪えろオレ

 ここで怒っちまったら、それはこなたの言葉を肯定しちまう様なものだ

 そうなっちまったらもうコイツのペースだ



 そもそもオレが怒ってるのはその事じゃない

 コイツの無神経さに怒っているんだ



「じゃあ、教えてやる」

 オレは努めて声を平静にし、こなたを睨みつけた。





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