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「まっ、いいんじゃない?」
そう言って採点を終えたかがみがオレにノートを返す。
ノートを見ると丸の数が7割程、普通なら納得出来ないけど、苦手な日本史なので上々の出来といえる。
「良かったですね」
かがみと共にずっとオレに歴史を教えてくれているみゆきが自分のことの様に微笑みかけてくる。
きっと、この2人がいなかったらオレは投げ出していただろう
「シンちゃん、やったね!
はい、ご褒美だよ」
つかさはそう言ってさっき売店で買ってきたポッキーを差し出してくれる。
「サンキュ」
「あう〜シンちゃん取りすぎだよ〜」
訂正、3人だな
「でも納得いかないよなー、なんで理数系の大学を受けるのに地歴を勉強しなきゃいけないんだよ」
「そうですね、無い大学もあるのですが評定の面でも勉強しておいて損はないですよ」
「この国ではそういう受験の仕組みなんだから仕方ないでしょ」
「……かがみ、身も蓋もないな」
「うっさい」
指を刺してくるかがみだけど、口調はいったって穏やかなもの。
軽口が飛び交うのも余裕のある証、オレはなんとか志望する大学に入れるところにまでは来ている。
「じゃあ、日曜また頼んでもいいか?」
と、すぐに調子に乗って大失敗するのが過去のオレだったけど、今のオレは違う。ここで手を休めるわけにはいかない
今のオレには勉強を見てくれたこいつらの期待に答えたい気持ちがあるからな