シンの反応が薄い、これは外したのかもしれない。



「じゃあこれを冷やしたら良いんだな」

「みたいだね、じゃあちょっと休憩しよっか」

 意を決してまでした恋人同士の切り札といえる裸エプロン。

 だけどシンが戸惑ったのは最初だけ、後は何事もなく作業を続けていた。

 完全に出オチになってる。



「その格好寒くないか?」

「別にー、ちょうど良いくらいだよ」

「……そうか」

「うん………」



 ひょっとして微妙な空気になってる?

 こういうので喜ばれるのはやっぱり二次だけなんだろうか?



「というか、なんでそんな格好してるんだ?」

「え、えっと、暑いから!」

「まあ、暑いけどさ」



 冷静に返されると何もいえない。ここは多少嘘でも乗って欲しかった

 ……それとも、私のこの幼児体型だとなんの魅力も感じないとか

 それよりもひどくドン引かれてる? フラグブレイク?



「……特に理由ないんだったら、やめてもらっていいか?」

 視線を合わせずシンは告げる。

 そこが余計に私の胸を抉ってくる。

 不快に思われている。これで一気に破局になるということはないだろうけど、駄目フラグを取ってしまったことに変わりはない。

 自分でやってしまったことだとはいえ、やっぱり好きな人にされたら、憂鬱な気になってくる。



「ご、ごめんね、いつも彼女っぽいことしてあげれてないから、たまにはってね………」

 やばっ、目から変なものが流れそう

 そんなの見せたらシンを困らせるだけなのに、嫌われるだけなのに

 だから、ここは何事もなく、笑って流さないと





「アハッ☆着替えてくるね」

「ちょ、ちょっと待て!!」



 まだ言いたい事があるのか、シンが強く私を止めた。





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