2
シンの反応が薄い、これは外したのかもしれない。
「じゃあこれを冷やしたら良いんだな」
「みたいだね、じゃあちょっと休憩しよっか」
意を決してまでした恋人同士の切り札といえる裸エプロン。
だけどシンが戸惑ったのは最初だけ、後は何事もなく作業を続けていた。
完全に出オチになってる。
「その格好寒くないか?」
「別にー、ちょうど良いくらいだよ」
「……そうか」
「うん………」
ひょっとして微妙な空気になってる?
こういうので喜ばれるのはやっぱり二次だけなんだろうか?
「というか、なんでそんな格好してるんだ?」
「え、えっと、暑いから!」
「まあ、暑いけどさ」
冷静に返されると何もいえない。ここは多少嘘でも乗って欲しかった
……それとも、私のこの幼児体型だとなんの魅力も感じないとか
それよりもひどくドン引かれてる? フラグブレイク?
「……特に理由ないんだったら、やめてもらっていいか?」
視線を合わせずシンは告げる。
そこが余計に私の胸を抉ってくる。
不快に思われている。これで一気に破局になるということはないだろうけど、駄目フラグを取ってしまったことに変わりはない。
自分でやってしまったことだとはいえ、やっぱり好きな人にされたら、憂鬱な気になってくる。
「ご、ごめんね、いつも彼女っぽいことしてあげれてないから、たまにはってね………」
やばっ、目から変なものが流れそう
そんなの見せたらシンを困らせるだけなのに、嫌われるだけなのに
だから、ここは何事もなく、笑って流さないと
「アハッ☆着替えてくるね」
「ちょ、ちょっと待て!!」
まだ言いたい事があるのか、シンが強く私を止めた。