「いや〜ごめんごめん」

 悪びれもせずにこなたがオレの部屋に小1時間ぶりに戻って来た。

 というか、よく人を待たせておいてそんなに出来るもんだ。

 呆れを通り越して、少し感心してしまう。



「おまえなぁ、ちょっとじゃなかったぞ、電話!」

「そんなに、怒らなくてもいいじゃない〜」

「お前が戻ってこないと、部屋が片付かないんだよ!」

「一人で部屋の片付けもできないの〜☆?」

 コ、コイツ〜………。

 当然普通だったらオレ1人で片付けできる。

というか、普通だったら待ってた時間で片付けられた。しかし今オレの部屋はこなたの部屋に入りきらないアニメ系のグッズが置かれてるのだ。

 それはここ2ヶ月で溜まりに溜まったもの。

 居候の身という事もあって、文句も言わなかったし、1回、1回部屋に置いていく量が少なかったから、

別に咎めなかったが、気付いたときにはもう遅し。

 オレの部屋は自分の物よりもこなたのアニメグッズの比率が多くなっていた。

 だからこれはこなたが片付けるのが筋なはずだ。

 それを、コイツは



「じゃあ、このメイドのフュギィア捨てるか」

「ち、ちょっ! み●るちゃんはら、らめぇ!」

「じゃあ、やるよな大掃除?」

「……はい」

 久しぶりに口喧嘩でこなたに勝ち、ちょっと気分が良くなる。

 よし! やる気がでできたし、一気に終わらせてやるさ!





「こなた、これは?」

「それは残し」



「これは捨ててもいいだろ?

「それ手に入れるのにメチャクチャ苦労したんだよ! だからダメ!」



「今年のカレンダーはさすがにいいだろ?」

「よく見てよ〜サインつきを捨てるわけないでしょ?」



 プチッ



 パリィーン



 オレの頭の中で比喩ではなく何かが弾ける。

 そして勢いのまま一言吼える。

「………片付くかー!!!」

「だ、だって仕方ないじゃん。みんな思い入れがあるんだよ〜。

 シンもこの気持ち分かるでしょ?」

「ハァ!? 思い入れがありすぎだろ!!?」

「ううっ………」 

 覚醒したオレに圧倒されたのか、ようやくこなたは泣きながら捨てるのを考え始めたらしい。



「……そうだ! シンの物を捨てたらいいんじゃん!」



 ドンガラガッシャン

 オレは思わず散らかった部屋にダイブした

 そして顔だけ覗かせて一声。



「ふ、ふざけるなー!!!!!」



「答えは聞いてないっ、てね。アハッ☆」

 肩で息するオレを尻目にオレの捨てれる物を物色するこなた。

 コ、コイツをどげんとせにゃあかん!! そう思っている時、こなたは1つのダンボールを手に取っていた

「何、この大きさ? 場所取り過ぎだよ〜。何入れてんの?」

 そういうとこなたはダンボールの包装を解いて行く。



 確か、あの中味は………





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