『Can memories are thrown away?
1
「〜でね、くさいのよ。
あっ、そうそう、あんた初詣は来るの?」
「行くよ〜というかお父さんが行く気マンマン」
「あははっ! あのおじさんらしいわね。
……そ、それであ、あ、あいつも、く、来るの?」
「シン? 行くよ〜よかったね〜かがみん☆」
かがみの言う『あいつ』とは、わざわざ聞かなくても分かってるけど、敢えて言葉にする。それが常識。それがツンデレをからかう方法。
「なんで、わたしがよかった―――」
「こなた! いつまで電話してるんだよ!?」
かがみのツンデレっぷりを楽しもうとしたわたしに、シンの声が飛んで来る。
「とほほ〜シンに捕まったから切るね」
「はいはい、それじゃまたね」
わたしはかがみとの現実逃避手段であった電話を切り、大掃除へと帰還した。
別の日常を見る
進める