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「こなた、ちょっと手を貸せ!」
今日のこなたの1日の様子と今胸を押さえてるのを見て、オレは堪らず声を出す。
こう見えても、オレは軍人。そこらのヤツよりは医療の知識がある、どこが悪いかを見つけられるかもしれない。
「い、いいよ、別に何ともないから………」
「いいから!」
オレの勢いに押されてこなたは渋々手を差し出す。
脈を測るが特に異常はない。
「舌出せ」
「だ、だから…別に」
「バカ!! 自覚症状がないのが一番タチが悪いんだぞ!!」
こなたに何かあったとしたらオレは………
結局、一通りのチェックをしたけど、異常は見つからなかった。
どうやら取り越し苦労だったらしい。
「ねっ、だからなんともないって」
「うーん…あっ!」
「ちょっ!? シン、何を………」
オレは一番基本的な事を忘れていたのに気付いて、こなたのオデコに自分のオデコを引っ付ける。
「熱は…ちょっと熱いか?」
「ちょ!? …ァ、あ…ああーも、もうなんでもないったらー!!」
こなたはオレを押し飛ばすと、ひったくるようにお茶を下げて、部屋から出て行った。
「取りあえず、これといった異常はなさそうだな………」
「うーん………」
オレの言葉にかがみは少しの間、考え込んでいた。