10
ばたん
「は〜」
わたしは部屋に入るなりため息を一つする。
あの後、かがみが帰ってから夕食を食べるまでの間、シンはわたしのことを終始気遣ってくれた。
……いやまあ、気遣ってくれるのは嬉しいんだけど、余計悪化してる気が………。
「やっぱり、わたしどこか悪いのかな?」
わたしはベッドに腰掛けて自分の胸を触る。
今日だけというなら気のせいで済むんだけど、最近急に胸が痛くなったり、動悸が早くなったりしてる。
でも、この症状がいつから出たのか、どうなったらなるのか発動条件が全く分からない。
「死ぬのかな? わたし」
ありえない話ではない。お母さんは病弱だったらしいし、
体格がそっくりなわたしにもその可能性はないとはいえなかった………けど。
「まっ、そこまでの鬱展開にはならないと思うけどね〜」
この場面にシンがいてくれれば、確実に突っ込んでくれるんだろうけど、
残念ながら今はわたしひとり…なにもかもがみな空しい………。
ただ原因とかが分からないのはなんか不気味な感じ…病院にいったら、検査入院させられそう………。
そうしたら、シンになかなか会えないな〜、シンともゲームもできないし、シンと一緒に料理とかも作れないし。
……シンは心配してくれるかな?………
「……もういいや」
わたしは一言のもとにベッドに倒れる。
なんか考えれば考えるほど、どんどん悪化しそうだし、こーいうのは気の持ちよう!
「てなわけでネトゲ♪ ネトゲ♪ こういう時こそ思いっきり遊んで忘れよー!」
今日はパーティのみんなで新しいダンジョンに行くんだよねー♪
まだ見ぬ敵、まだ見ぬお宝!
「うおっー! キタキター! テンション上がってキター!」
こうしてわたしは今日も徹夜することとなった。