なんだったんだろ、さっきのわたしの態度………。

 あれくらいのやり取りはわたしとシンの間だったら日常茶飯事、それこそネトゲよりも多くやってるはずなのに………。

 たださっき言われた言葉がシンに、わたしはいらないって言われたみたいで無性にショックだった。



「みゆきさん、ビーカーとフラスコ取ってきたぞ」

「ありがとうございます」

 ちらっとシンの方を見ると、シンはみゆきさんと楽しげに授業で使う実験器具を用意していた。

 なにさシンのやつ、わたしの気も知らないで、楽しそうにしちゃって…ってあれ? 別にいいはずだよね?

 シンが楽しそうにみゆきさんとフラグ立ててたら…それは順調にシンがゆるくなっていくってことなのに………。

 なのに、なんだろ…なんで、こんなに胸が痛いんだろ………。

 この胸の痛さ…もしかして…心臓か何かの病気!? ……わたし死ぬのかな………。



「泉ー早くプリント回してくれよ〜」

「……えっ…あ、ああ、ごめん、ごめん!」

 わたしは同じ班の男子の声で我に返る。

 な〜んて、そんなバカなことないよね。

 きっと、ここ最近徹夜でゲームしまくってたから、体調を少し壊しただけだって。



 ……そうだよね、シン………



 再びシンの方を見ると、シンは一人熱心にビーカーの水をかき回していた。

 それを見るとわたしの胸の痛みは治まっていた。





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