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「全くあんなことされたら、病気じゃなくても普通に寿命縮んでいくよ」
わたしは文句をたれつつ、服を着る。
でも、さっきのシンの様子は朝とは明らかに違っていた。顔を真っ赤にして、謝りながらドアを閉めた。
これは女の子としてわたしが見られたって事なんだろうか………。
「……これはわたしの時代キタ………。って何やってんのシン?」
髪を拭きながらリビングに入ったわたしを土下座姿のシンが出迎える。
「すまない! 本当にすまない!! オレはお前に、とんでもない辱めをさせたのに、オレはそんな事に気付かず………」
たぶんシンとしては謝ってるんだろうけど、すっごく恥ずかしいんだけど…お父さんがいなくて良かった〜。
「もちろん謝って許してもらおうなんて、虫がいいとおもってる。出て行けと言われればオレは出て行くつもりだ!」
「え、ちっちょっと!?」
いや、出て行かれるのはわたしが困るんですけど…ホント変なところが真面目なんだね、シンは。
でも何かにつけて真剣で、優しくて、気づかないうちに私はフラグを建てられてたんだね………。
「シン、いいよ。シンも悪気はなかったんだし…私もいつまでも怒ってごめんね」
「こなた………」
シンは私にもう一度頭を深く下げた。
「ほらほらシンは生意気なくらいが丁度いいんだから、いつまでも凹んでないの!!」
「ああ…ありがとな」
「あっ、う、うん………」
私はシンの笑顔に見とれる。
改めてみると、カッコイイよね〜シンって。
というか、こ、これって、チャンスだよね、い、いけるよね!?
「ねえ、シン………」
「ん、何だ?」
シンは赤い瞳でこっちを見つめてくる。
「あのね私、シンのことを――」
今まさに、思いを告げようとした時、ある考えが過ぎった。
フラれたらどうするのか?
シンの性格上、さっきみたいに私を辱めたと思って家を出て行くだろうし。
そしたら…私はシンと一緒に過ごせなくなるし、学校で会っても気まずくなる、
シンはつかさたちと話すことが多くなる…私がぼっちになる←結論。
…………。
ち、ち、ち、ちょっと待ったー!!!
これはやばい、至極まずい!!
「どうしたんだ、こなた? オレに何か言いたいんじゃなかったのか?」
「え、えーっと、それはね………」
わたしはどうしようかと、普段ゲーム以外で使わない脳をフル活用させた。