「おはよ、こなちゃん、シンちゃん」

「遅いぞ」

「ワルい」

 シンの奮闘によりわたしたちは五分遅れ程度で集合場所に着いた。



「こなちゃん、顔が赤いよ、どうしたの?」

「そ、そう? 走って来たから、それが原因かな?」

 徹夜明けという最悪のコンディションの中、急激に動いたからかわたしの動悸は速くなっていた。



「そうだ。かがみ、これこの前貸してくれたラノベ」

「あっ、はいはい」

 シンは鞄の中にあるラノベを取るために、繋いでいたわたしの手を離す。

「しかしシンも順調にヲタク化してるね〜」

 ようやく目が覚めて息が整ったのか、わたしの言動も動悸も元どおりに戻る。

「なんでそうなるんだよ!?」

「だって、ラノベ読んでんじゃん」

「だからあんたのオタクへのハードルは低すぎるのよ! で、どうだったシン、今回のは?」

 わたしへのツッコミをすませると、かがみは目を輝かせてシンに質問する。

 かがみからしてみたら、今まで周りにラノベ読む人間がいなかったし、嬉しいんだろうね。

 もっとも、それだじゃないと思うけど〜♪



「今まで1巻で完結してたから、この巻から続きものになるとはな〜。

 でもさすがにかがみ推薦だけあって面白かったぜ」

「そ、そんなにお、おだてても、何も出ないわよ!」

 はい、フラグktkr。ツンデレのかがみん萌え。

 シンとフラグ建ってから、ツンデレに磨きがかかってるね〜♪

 ……それはそうとさっきから胸が痛い…なんでだろ?

「こなちゃん、どうしたの?」

「なんでもない、なんでもない!さあさあ、早く学校に行こうよ!」

 わたしは何かを振りはらうかの様に、明るく皆を促した。





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