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「どんだけぇ〜」
唖然とするつかさの手から、メロンアイスがこぼれそうになるのをオレは慌てて抑える。
つかさのこの様子は、何かこなたの事で助言をもらおうと朝の事を説明しての事だったのだが………。
「つかさは分かったのか? こなたが怒ってる訳を?」
「誰でも怒ると思うんだけど………」
「誰でも?」
「……うーんと、じゃあね…例えば、もしシンちゃんが、お姉ちゃんやゆきちゃんが着替えてる時に入ったらどうする?」
「謝る!」
「…………」
オレの即答につかさは2,3度大きく瞬きをする。
実際そんな事したら、土下座をしたってオレの気が治まらないだろう。
「え、えーと、私でも………?」
もちろんつかさもそうなので、オレはためらうことなく頷く。
「当たり前だろ、女の子の着替えなんて覗いていいわけないだろ」
「……えーとね…こなちゃんも女の子だよ?」
「…………」
「え、えーと、まさか………」
オレはつかさから視線を外す。
……言われるまで忘れていた。こなたとは、男友達と一緒の会話内容だし、
普段ゲームとか一緒にやってるし、おかずのとりあいとかしてるし………
「……なあつかさ、こなたは凄く傷ついた…よな」
「う、うん、凄く………」
すがる様なオレにつかさは残念そうに頷く。
やってしまったぁぁぁぁぁ!!!
オレは何やってんだ!? こなたは色々あるがオレのこの世界での恩人、なのに、それなのにオレは………。
「ほ、ほら、こなたって、発想がオヤジっぽいし、みゆきさんにセクハラまがいの発言するだろ、だ、だからさ………」
半分以上正確に頭が回っていない状態で自己弁護を始めるオレ。もちろんこんなの言い分けにもなっていない。
「うん、こなちゃんとシンちゃんのそういうことを気にしない関係ってすごくいいなって思うよ。
でもこなちゃんは女の子っぽくて、可愛いところもあるしそういうところも見てあげたらこなちゃんも喜ぶと思うよ」
「……努力してみます」
オレはそう言うと、片手に持っていたアイスクリームを舐めた。