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「好きって…そ、そりゃ、嫌いだったら一緒に住んでないし、登校もしないでしょ、友達としてさ? ………」
「ああ〜そうじゃなくてー!」
私の答えに満足いかないらしく、かがみは頭を片手で押さえる。
「泉さんはシンさんを異性として、男性の方として好きなのではないですか?」
「えっ? うーん………」
みゆきさんの補足説明にわたしは顎に手を置いて考える。
シンが男ってのは理解してたけど、今まで特に意識したことはなかった。
「これは自覚症状なしか」
「な、なんで人の心の中勝手に想像するのさ!!」
呆れた様子のかがみと苦笑を浮かべるみゆきさんにわたしは腹を立てる。
こんなことでムキになるのはらしくないと自分でも思いながら………。
「あんたの胸の病気、どうやったらなるか教えてあげよっか?」
突然話が飛んだことにわたしは困惑する。今この段階ではそれは関係ない気がするんだけど………。
「分かったの? わたしの病気?」
「はい、恐らく確実だと思います」
なるほど、みゆきさんは医者を目指してるって前言ってた気がするし、普通の人より病気のことが分かるかもしれない。
できれば命とかに別状なく、またゲームやみんなと…シンと遊べたら………
「では、その前に一つだけ質問させてください」
「い、いいけど」
わたしが頷くと、みゆきさんは真剣な顔して近づいてくる。
「シンさんは今日、つかささんに告白するとおっしゃっていましたが、どう――」
「…………!!!!」
みゆきさんの言葉にわたしは何も言えなかった。というか何も考え付かない、頭が真っ白になった。全身から力が抜けていく感覚。
ただある感覚は胸の痛み、それも今までにないほどの痛み。そして、その痛さから私の目からは涙が出ていた。