15


「なんだよ、こなたのヤツ………」

 小さく舌打ちをしてオレは主のいない、机を見る。

 結局こなたは今日1日、オレと目を合わせてはくれなかった。おまけに一緒に帰ろうと誘おうと思ったら、

授業が終わったらトイレか何からしくどっかに行ってしまった。

 このまま待つか? いや、それだとオレだけが悪いみたいだし、

こなたが調子にのるだろうし…でもこのまま先に帰るのも………。



「シンちゃーん、一緒に帰ろう!」

 そんな事を考えているとつかさがオレの席にやって来た。

「あれ? かがみやみゆきさんは?」

「えーっとね…お姉ちゃんとゆきちゃんは…その、えっとね………」

 なぜか口ごもるつかさ。

 なるほど、さては3人が喧嘩してるオレ達を見て、何かしら動いてるわけか………。

「よし、たまには2人で帰るか! ついでにどっか寄って行こうぜ!」

「えっ…うん!」

 さっきの困った顔から一転してつかさは笑顔になる。

 せっかく3人がどうにかしようとやってくれてるんだから、

オレがここにいれば余計にこじれるだけかもしれないし、ここは素直に厚意に甘えさせてもらうか。

 ……そんな事考えるれる様になるなんて、オレもだいぶ空気が読めるようになってきたのかもしれない。



「シンちゃん、早く、早く! 早くしないとこなちゃんが………」

「ん? こなたがどうかしたのか?」

 オレはわざと意地悪気につかさに尋ねる。

「な、な、なんでもない、なんでもないよ〜! 早く帰ろー」

 オレはつかさに引っ張られて教室を出て行った。





戻る   別の日常を見る    進める