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「こなたーっ!!」
白石との会話が終わると、オレはこなたの席に猛ダッシュで向かう。
「何?」
相変わらず怒ってるのか、こなたはこっちを向くことなく返事をする。
だが今確実に怒ってるのはオレの方だ。
「お前、オレのデスティニー達になんてことするんだ!?」
「ああ、あれ」
悪びれる様子もなく淡々と答えるこなた。
そう、こなたは家に出る前にオレのデスティニー三連星(あと2体増やして戦隊にする予定)の左右の腕と、
アロンダイトと高エネルギー長射程ビーム砲を全部逆に配置して登校していきやがったんだ。
「お前なー! 腕は簡単に分かったけど、ウエポンの方は20分考えたんだぞ!! 姑息な大犯罪しやがって!!!」
「だからシンさん今日はぎりぎりだったのですね………」
「そんなの帰ってからやりなさいよ………」
オレの怒りに、なぜかみゆきさんとかがみは呆れた様子でにこっちを見る。
「ふーん、よかったじゃん。分かったんだから」
「それは…そうなんだが………」
冷静にこなた言われてオレは口ごもる。
てっきりあれはこなたが仲直りの切っ掛けのためにやってくれたものだと思ったんだが………。
「そろそろ時間だし、私は戻るわね」
気まずくなった空気を振り払うようにかがみが努めて明るい声を出す。
「そうそう、つかさ、みゆき確認したいことがあるから後でメールするわね」
「う、うん」
「分かりました」
そう言ってかがみは教室を出ていった。
「なになに? なんかのイベントー?」
「さあな」
こなたの呟きにオレはこなたの方を見る事なく返事した。