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「ほら、飯だぞ」
「…………」
「まだ怒ってるのか?」
「…………」
どうやらこなたはかなり怒っているらしい。それでも朝飯を食べるんだから、なんというか。
「何怒ってるんだよ?」
「別に」
素っ気なく答えるこなた。
ホントに何に怒ってるんだこなたは?
たかだか部屋をノックせずに入ったくらいで普通ここまで怒るか?
「ひょっとしてあれか? やっぱり、どっか悪いんじゃないか? それで………」
「……全然、全く、違うよ!!」
「お、おい!?」
「今日は一人で学校行くから! シンはそうやって、一生解けない方程式を並べとけば!?」
そう言うとこなたは乱暴な足取りで出て行った。
……これは完全に怒らせたな…こなたは自分の趣味以外の事では物凄くおおらかだ。
それをあそこまで怒らせたってことは、かなりの事をオレはしてしまったらしい。
「まっ、ほっといたら、どうにかなるだろ」
こういう時は何もしないのが一番だ。あっちの世界で親友と喧嘩した時も、
少したったら自然と仲直りしたのがしょっちゅうあった。
逆に余計に言えば、関係が悪化する場合がある、オレと元先輩っであった人物とがそんなんだった。
「だから、気にする事じゃないな、うん…あっ!!」
気付いたらそうじろうさん用の朝飯の目玉焼きがカリカリに焼けていた。