3
「その通り! ……まあフォースだけだけどね〜
でもプラモとはいえ懐かしいんじゃない?」
この世界に来てまだ1ヶ月も経ってないけど、確かに懐かしさを覚えるデザインだ。
おもちゃ用だからか、箱に書かれてる絵は細部こそ違うものの、インパルスと言っても差し支えないものだ。
おそらく次元は違うけど、同じ地球系だからこういう形で『インパルス』というものが生まれたんだろう。
「どう? ちょっとは作ってみようって気になった?」
「あ、ああ」
悔しいけどオレは首を縦に振る。
何も知らない世界で、自分が知ってるものを見るとこうも落ち着くものなんだろうか。
おそらく狙い通りの行動を取らされているんだろう、満足げな笑みを浮かべるこなたは箱を開けて、なんと説明書を抜いた。
「何すんだよ!?」
「まさか説明書がないとできないなんてこと言わないよね〜?」
「うっ………」
いつも以上に人をおちょくった顔をするこなた。
いくら子供用とはいえ説明書がないだけで、難易度はかなり変わるだろう。
とはいえこれ以上コイツに弱みを見せるわけには行かない。
インパルスはオレの愛機、換装だって目を瞑ってもできるくらいに乗っているんだ!
「やってやるさ! 見せてやるザフトレッドの実力をな!!」
オレはインパルスの箱を引き寄せるとこなたに高らかに宣言した。