「その通り! ……まあフォースだけだけどね〜

 でもプラモとはいえ懐かしいんじゃない?」

 この世界に来てまだ1ヶ月も経ってないけど、確かに懐かしさを覚えるデザインだ。

 おもちゃ用だからか、箱に書かれてる絵は細部こそ違うものの、インパルスと言っても差し支えないものだ。

 おそらく次元は違うけど、同じ地球系だからこういう形で『インパルス』というものが生まれたんだろう。

「どう? ちょっとは作ってみようって気になった?」

「あ、ああ」

 悔しいけどオレは首を縦に振る。

 何も知らない世界で、自分が知ってるものを見るとこうも落ち着くものなんだろうか。

 おそらく狙い通りの行動を取らされているんだろう、満足げな笑みを浮かべるこなたは箱を開けて、なんと説明書を抜いた。



「何すんだよ!?」

「まさか説明書がないとできないなんてこと言わないよね〜?」

「うっ………」

 いつも以上に人をおちょくった顔をするこなた。

 いくら子供用とはいえ説明書がないだけで、難易度はかなり変わるだろう。

 とはいえこれ以上コイツに弱みを見せるわけには行かない。

 インパルスはオレの愛機、換装だって目を瞑ってもできるくらいに乗っているんだ!



「やってやるさ! 見せてやるザフトレッドの実力をな!!」

 オレはインパルスの箱を引き寄せるとこなたに高らかに宣言した。





戻る   別の日常を見る   進める