8
「ねえ、日曜日の夜どこに行ってたの?」
「なんでそんな事聞くんだ?」
「だってバイト帰った時いなかったから」
多少問い詰める口調になってるのは自覚してるけど、でもこれは聞かずにはいられないことだった。
「ああ、ちょっとトレーニングにな」
「わたしバイトの帰りに電車でかがみとシンを見たんだけど」
「へー気のせいだろ。まあ世の中には自分と似てるのが3人いるって言うしな」
日々ゆるくなってはいるけどさすがに元エリート軍人。わたしのカマかけに動揺することなくシンは淡々と答える。
「かがみほんと?」
ならばとわたしは矛先をもう一人のターゲットに切り替える。
「えっ? あっ…シ、シンが違うって言ってるじゃない」
しどろもどろに答えるかがみ…明らかに何か隠してる。
基本的にかがみは嘘をつくのが下手だ、いつもならそこは萌えポイントなんだけど、残念ながら今はそれを楽しんでる暇はない。
「わたしはかがみの口から聞きたいんだけど」
「どうしたんだよ、今日のお前おかしいぞ?」
咎めるようなシンの口調。
そんなにかがみといたのを秘密にしときたいの!?
「おかしくなんかない!!!」
そう叫ぶとわたしは席を立った。