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「こなたどうした?」
こなたのうなされている様な寝言を耳にしたのはついさっきだった。
恐らく悪い夢でも見たのだろう。
小さな子供じゃないんだし、悪い夢を見たくらいで見に来るのは大袈裟だと思われるかもしれないけど、
ああいう時は誰かがそばにいてくれるだけでも違うもんだ。最低でもオレがそうだったから………。
「シンこそどうしたの?」
声があったのはノックをしてから少し経ってからだった。
心なしかこなたの声は泣いてる様に聞こえた。
「あっ、いや、お前がうなされてたみたいだったからつい、な………」
「いや〜ベッドから落ちちゃってね〜ごめん、ごめん」
その言葉は恐らく嘘だろう。こなたは寝相こそ悪いけどベッドから落ちる程のものでもない。
「入っていいか?」
「だめ! 今凄い格好だもん」
口調こそ何時ものものだが、その中には強い拒否が感じ取れた。
「……本当に大丈夫なんだな?」
「本当に大丈夫だよ」
こうまで言われたら、オレも引き下がるしかない。
オレはこなたに一声かけるとやむなく部屋に戻った。