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日曜日にバイトなんて入れるもんじゃないね。家に帰ったら九時越えちゃうよ。
ホントこれが電車内じゃなかったら、泣いてますよと…ん? 今ちらりと見えた人影は………。
見えたのはやはりシンだった。
いや〜シンの姿を見ると疲れも吹っ飛ぶねー…なんて遠くから見てないで、声を掛けて一緒に帰ろっと♪
シンはどうやら誰かと一緒らしい。
そう気付いたのは、人ごみをすり抜けてシンに少し近づいた時だった。
シンの様子からかなり気を許してる相手みたいだけど、……ってあれはかがみ? なんで?
かがみんめ、わたしが労働に勤しんでいる時にシンとデートするとは、これはSOG団の規約に反する事、
よってシンとのダブルツンデレの会話を聞いて、明日とことんからかってくれよう!
強く決意したわたしは二人の会話が聞き取れるくらいまで潜入を開始した。
「今日は…がとな。
……陰で…ったよ」
「別に…あんたの…したわけ…たまたま用事が………」
ほっほー、かがみ早速ツンデレか! さすがだねー。
しかしわたしがそうやって余裕を持って聞いていられたのもここまでだった。
「イニシャル…くれる………」
「どうせなら…SからKへ愛を…よかった………」
「……してくれ。……それより、こなたは…くれるかな?」
「大丈夫…あんたが選んだ………。こなたも…くれるわよ」
かがみの言葉にシンは頷き、二人の会話は違う話題に移っていった。
わたしは二人のさっきの会話で気になることがあったので二人を背にして、その場を離れた。
聞こえた会話から内容を想像すると、どうやらかがみとシンの二人はわたしに何か秘密事をしているらしい。
ずばり、それを解くkeyは『S』と『K』という二人の人物と見た!
・・・…『S』は恐らくシンのことだよね…ということはさっきの会話から…シンが『K』に愛を込めるってこと!?
『K』って誰? 誰!?
……黒井先生………? ……ないとはいえないけど、
普通ああいう場合は下の名前が『K』のはず…うーん、こういう時に限って人の名前が出てこないー!
KOOLになれ! 泉こなた!こういう時は身近な人から挙げていこう!
まずはかがみ…『K』じゃん!!
わたしはもう少しで電車内で声を上げそうになった。