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一瞬夢ではないかと疑った。
目を開けて視界に入ってきたのは、私が今一番会いたい人、シンだったからだ。
不安だった。シンは見舞いに来てくれないのではないかと。
散々予定を変えてまで、約束したのに風邪で行けなくなった、シンが怒っても仕方ない行動だった。
「あ〜起きなくていいから、寝てろ。絶対安静、絶対安静な?」
それなのにシンは来てくれた。
そして不満の色一つ見せず、それどころか本当に心配そうに私を今みたいに気遣ってくれる
でも心のどこかでそれが当たり前と思っている私がいる………
嫌だ
そんな自惚れてる自分が嫌だった
私はそんな自惚れていい立場じゃないし、それ程までに価値のある女じゃないから………
「……ごめんなさい………」
そして気付いたら私は涙を流しながらシンに謝っていた。