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「久し振りだな〜」
前に柊家に来たのは何ヶ月前だろうか?
付き合う前の高校時代は1週間に1回は遊びに来てたのに、付き合い始めた今の方が少ないというのは少しおかしな気がする
「っと、感慨に耽ってる場合じゃなかったな」
1人暮らしをしているオレの家に電話があったの昨日。
相手はつかさからでかがみが寝込んだという事だった。
幸か不幸か倒れたのが旅行に行く日だったのでかがみの方は講義とかに影響はなく、オレもこうして見舞いに来ることが出来た。
本音を言えば元気なかがみを見たかったが、そんな事を言ってる状況じゃない
「かがみのヤツ、行けなくて、駄々こねてなきゃいいけどな」
オレは呟いてからインターホンを押した。
「ごめんなさいね、シン君。楽しみにしてたんでしょ?」
「いえ、かがみの体が1番ですから」
柊家で出迎えてくれたのはみきさんだった。
相変わらず若く見える。どう見てもかがみの姉にしか見えない
「今かがみは眠ってるけどシン君なら部屋に入れても大丈夫だから入っててちょうだい。すぐにお茶を持って行くわね」
「あっ、おかまいなく」
オレは礼をしてかがみの部屋へと向かった。
「かがみ入るぞ」
オレはかがみを起こさないように小さく断りを入れてから部屋に入る。
部屋に入るとかがみが規則正しい寝息を立てていた。
熱はまだありそうだがそれほど悪くはなさそうなので、オレは胸を撫で下ろす。
取りあえずこのまま立ってるのもなんなので、かがみの勉強の椅子を失敬してそこに腰掛ける。
「しっかし………」
相変わらずかがみの寝顔の可愛さは異常だ
普段のかがみは綺麗で、一緒に歩いていると思わず周りに自慢しまくりたくなるが、
今のかがみはいつもの勝気な様子ではなく、儚げで守りたい可愛いさがあった
「ずるすぎるだろ………」
「うっ、うーん………」
オレの呟きが聞こえたのか、かがみは目を覚ます。
「……シ…ン………?」
「よっ」
未だに焦点が当たってないかがみの呟きに、オレは軽く手を上げて返した。