2
「あら決まったの、良かったわねかがみ」
私からの報告に我が事の様に喜んでくれるお母さん。
「聞きました、いのりさん?」
「ええ、まつりさん、かがみの純潔もその日限り」
すっかり近所のおばさんモードになってるのは、二人の姉いのり姉さんとまつり姉さん。
ちなみに二人ともまだ彼氏はいない。だからって人をからかうのやめて欲しいものである
「恥ずかしい事言うな!!
だいたい純潔なんて、ちょっと前に…し、しまっ! ………」
私は慌てて口を押さえるが、出た言葉はもう帰ってこなかった。
「へーそうなんだー」
「いつ? どこで? どっちから?」
「い、言えるわけないでしょ!?」
耳まで真っ赤になって叫ぶ私。
ダメだっー! シンに会えると思って、気が緩んでるー!!
「じゃあお姉ちゃん服を選ばなきゃ、今度の日曜買いに行こー!」
話の腰を折って助け船を出してくれたのが、私の双子の妹でありかつては恋のライバルの一人だったつかさだ。
つかさもシンの事が好きだった。
そのシンが私と付き合っているにも関わらず私がシンの事で落ち込んだら、励ましてくれる私の一番の理解者だ
もし私が逆の立場だったら同じ事が出来たのだろうか、と考えれば私には出来すぎた妹だ
「うん! この際だから都心に行こっか」
小学校の時の遠足いや、そんなものとは比較にならないドキドキ感に私の声も自然と明るくなる。
もう明日でもいい。一日でも早くシンの声が聞きたい、シンの姿が見たかった
だが世の中そう上手くはできていないらしい………
その日、私は今までの疲れが出たのか、約束の日の前日から体調を壊して寝込んでしまった