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そして『ミスコン』が始まった。
開始直前に怪しい男が1人締め出されたらしいけど、それ以外は順調に進んだ。
「今んとこみゆきさんが一番だね」
「だね〜ゆきちゃん元々美人さんだもん」
こなたとつかさの言葉にオレも頷く。
身内の贔屓も入ってるかもしれないが、ドレスを着てたヤツよりも普段の制服姿のみゆきの方が断然美人だった。
ちなみに黒井先生は一番手で笑いを取って、場を盛り上げるというある意味1番難しく、教師として素晴らしい行動を取っていた。
「これはみゆきさんとかがみの一騎打ちだね」
「ああ、みゆきの『ミスコン』を阻めるのはかがみくらいだろ」
「……こなちゃんもシンちゃんもお姉ちゃんが綺麗と思ってるんだったら、どうして普段言わないの?」
「……いや、それは………」
「……今更というか、なんというか………」
つかさの質問にオレとこなたはお茶を濁す。
『それでは次は三年C組代表柊かがみさんです!』
そんな事を話してる間にかがみの出番がやってきた。
今まで湧いていた会場が静まりかえる。
舞台に上がったかがみはいつものかがみじゃなかった。
小さな白い肩を露出して、髪はいつも束ねているツインを下ろしてロングにしており、ドレスはこの舞台に相応しくない全体が黒、
ロングスカートの縁は赤色、そして中心には赤いバラを模したリボンが付いていた。
だがそれが普段から大人っぽいかがみの魅力を何倍も引き立たせていた。
「綺麗………」
オレが思っていた事が横から聞こえてきたので、慌てて声のした方を向く。
その声はうっとりとかがみに魅入っていたつかさのものだった。