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「へーわりかし立派なステージだな」

「実行委員は変わりに昨日修羅場だったらしいよ」

「うん、凄く大変そうだもんね、これ」

 オレ達は体育館に設置された、ミスコン会場に驚きの言葉を上げる。

 いよいよか………。

 この日までオレの中で色んな事があった気がする………。



「――ねぇ、シンってばー」

「ん? なんだ?」

 感慨にふけっているオレの袖をこなたが引っ張る。

「だ・か・ら、かがみのダイエットは成功したの?」

「う〜ん、どうだろうな?

 昨日は何かあったらマズいから運動は休みだったし、つかさどうなんだ?」

「ううん、わたしも知らないの…それだけじゃなくて、お姉ちゃんわたしにお楽しみだからってドレスも見せてくれないんだよ」

 という事は、結果はかがみのみが知る、か。



「お〜おった、おった」

「やっほー」

「おはようございます」

 噂をすればなんとやら、出場者の黒井先生、かがみ、みゆきがオレ達の元にやってくる。

「あれ? ドレス着てないの?」

「まだ時間があるからね」

「というより着れるのか?」

 オレは3人を交互に見る。

「……それがお恥ずかしながら…ダイエットに失敗、といいますか…その…目標には届かず………。

 ですからドレスではなく、制服で出ることにしました」

「そうなんだー残念だね………」

「悪いみゆき、オレがもっと手伝えたら………」

「い、いえ、そんな! シンさんには十分手伝って頂きました、ありがとうございました。

 ……それにダイエットという初めての事をやって楽しかったです」

 みゆきの屈託のない笑みが逆にズシリとくる。

 何か次の機会には絶対にみゆきの力にならないとな。



「うちもあかんかったわー」

「その割には嬉しそうですね?」

 確かにこなたの言う通り黒井先生からは落ち込んだ素振りは全く見えない。

「いや、実はな、139隊長の『このきょしぬけめー!!』ってのに腹立ててムキになっとたら、

予定より痩せすぎてなー、ドレスがブカブカになってもうてん」

 なるほど、だから機嫌がいいのか………。

「そやから、変わりに………」

「先生、ギャルゲーの制服を変わりに着るんじゃないですよね?」

「うおっ!? 泉、なんで分かってん!?」

「いや、なんとなく虫の知らせが………」

「……残るはかがみだけど………」

 妙な会話をしているこなたと先生を放っておいて、オレは最後の1人に目線を移す。

「私? それはね…ひ・み・つ」

 オレの前で楽しげに人差し指を振るかがみ。

「まっ、出番が来てのお楽しみってやつよ。

 じゃあそろそろ時間だし行くわね」

 そう言うとかがみは歩いていった、その足取りはとても軽く見えた。



「お姉ちゃん上手くいったみたいだね」

「ああ」

 つかさの笑顔にオレも笑って返した。





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