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「びっくりしたよ~開けたらりんごだらけだったし」

「ごめん、ごめん」

 私はつかさに謝りながら、お弁当を渡す。



「ですが、かがみさん…このお弁当は………」

「かがみんこれはひどい………」

「体は大丈夫なんだろうな?」

 みゆきはともかくとして、こういう事では私はからかうはずの二人が、

呆れながらも心配の声が出るってのは…これは相当やばいって事? ……結構自信あったのに………。

「大丈夫よ! 人間そう簡単に死なないって!」

「人間は死ぬんだよ! 簡単にな!!!」

 私の開き直りにあいつが凄い剣幕で怒鳴る。

 それはどう見てもいつもの言葉の揚げ足を取っている様には見えなかった。



「シン」

「あっ…わ、悪い………」

 場の中で一番最初に我に返ったこなたがシンをたしなめる。

 昨日の事といい、時々あいつは何かの言葉に動揺する。

 それは私だけじゃなく、つかさやみゆきもそれを目にしている。

 そしてその度に私は事情を知っているであろうこなたを問い詰めるが、いつも『教えるにはフラグが足りない』の一点張り………。

「……オレ黒井先生に呼び出されてたんだ」

 あいつは逃げる様に教室を出て行った。





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