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「もうここでいいわよ」

「そうか? 家まで――」

「絶対イヤ!!!」

 オレが最後まで言う前にかがみはきっぱりと断って、半ば強引にオレの背から降りる。

 足下はまだ少しふらついてるけどな。



「で、かがみ明日なんだけど………」

「うん、明日もお願い」

「いいのか?」

「何が?」

「えっ…いや………」

 今日のオレの様子を見れば、明日は断ってきても当然、オレはそう思っていた。

 それにかがみはオレが迷惑を掛けたのに何も聞かず、変わらず接してくれていた。

 いや、かがみの事だからオレが悪いのに、自分が悪いと思ってるかもしれない………。

「……かがみ………」

「何?」

 お前は悪くない! そうかがみに言いたい。

 でもそれを言えば、オレが動揺した理由を話さなければならない。

 それはオレの過去を話すことになる。

 何よりかがみがオレの過去をを知ってどうする?

 単にオレがかがみに話して、分かってもらいたいだけのオレのエゴなんじゃないか?



「トレーニングきついか?」

 そんな戸惑いがあり、オレはそんな当たり障りのないことを口にする。

「そうねー出来れば今日よりは楽がいいけど、そうしたらなかなかヤセれないでしょ?」

 そう言ってかがみは肩をすくめる。

「分かってるじゃないか」

「だったら聞くな!」

「ハハ、ワルいワルい。トレーニングの事は頭の隅にでも考えとくよ。

 じゃあ、また明日な」

「うん。今日はありがとう、また明日ね」

 かがみは笑顔で手を振り、家に入っていく。



 オレは明日もかがみと笑いあいたい。だから、このまま………。





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