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「ただ話してただけよ」

「ホントぉ〜? なんかイベントのにおいがするんだけど?」

 疑わしげに私とあいつを交互に見るこなた。

 相変わらず変なとこだけ鋭い…このまま追及されるとまずいわね………。

「……実はな、かがみがまたダイエットに挑戦するらしいんだ」

 あいついきなり喋り始めてるし…って呆れてる場合じゃないし!!

「ちょっと何―――」

 あいつがこなたに見えない様に目配せをしてきたので、途中で言葉を飲み込む…何か考えがあるって事ね。



「だからオレのトレーニングに付き合いたいんだとさ」

「また〜? かがみんもこりないね」

 なるほどね。下手に嘘をつくよりもある程度本当の事を言った方が安全ってわけか



「だよな。そんなんだったら間食控えりゃいいのに」

「う、うるさいわね! 春は食べ物が美味しいから仕方ないじゃない!!」

 あいつの作戦に私も乗っかりあいつに食ってかかるフリをする。

「はいはい。てなわけでこなた、今日オレ遅くなるから」

「……分かった。お父さんにはわたしから言っとくよ」

 頷くこなた、油断はできないけどなんとか誤魔化せたみたいね。私は胸を撫で下ろす。

「でもあんまり遅くなったらダメだよ。かがみは女の子なんだから」

「わ、分かってるって」

「女の子なんだからちゃんと私を守りなさいよ、シン」

「あ、ああ………」



 お互いにあいつに言葉を掛けると、私とこなたは笑みを浮べる。だけどその目はお互い笑っていなかった。





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