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「でなんで、3人とも悲鳴を上げたんだよ?」
黒井先生からのお仕置きを受けたあいつは不満気に聞いてくる。
「え~と………」
「それはやな………」
「なんと言いましょうか………」
私達は三人はそれぞれ明後日の方向を向き、お茶を濁す。
「言えよ。アンタ達が悲鳴を立て続けに出したから、こっちも心配になって入っていったんだからな」
ヤバッ、あいつ結構本気で怒ってる………。
あいつから見たら私達を心配して入ってきたら、はさみを投げられるわ、お仕置きを受けるわで確かに納得いかないだろうけど、
でも女子としてこの理由を男子に言う訳には…だけど、このままあいつを怒らせるのも………。
「……分かったわよ…でも絶対人には言わないでよ?」
しばしの脳内葛藤のすえ、私は話す事を決めた…やっぱり、こうなるのね………。
「あ、あのね、ほ、ほらこの前のお花見やったじゃない? その時のつかさやこなたが作ってきたお弁当が美味しかったでしょ?
だ、だから油断したって訳じゃないけど………」
「要するに体重が増えたのか」
「……………。で、でね、ミスコンは衣装を着ないとや、やっぱりね、せ、せっかく出るんだし、綺麗なドレスとかも着たいじゃない?
でも、そういうのって…ほら、ね?」
「要するに用意してる衣装とサイズが合わないんだな」
「お願いだから要約しないで………」
あいつの容赦ないツッコミに私は情けない声を出した。
「その様子だと残りの2人も同じか?」
「はい…お恥ずかしながら………」
「そこでや! アスカ!」
女性陣の暗い雰囲気を無理やり吹き飛ばすように黒井先生は必要以上に大声を出す。
「ミスコンまであと一週間ちょっと…いいダイエット法を探してきてくれ!」
あいつは私達を順番に見てから、肩をすくめる。
「まあ乗りかかった船だし、別にいいですけど………」
「おおきに! ほな明日頼むな!」
「頼むなって、先生は探さないんですか?」
「しゃあないやろ? 図書館にはそんな世俗的な本は少ないし、となると残りの情報はネットや。自分、パソコンは得意やろ?」
確かにあいつのパソコンに対する知識は専門家も驚くものなんじゃないかと思う。
これに関してはさすがのみゆきもパソコンは人並みしか使えないし、私も家族の中では使えるほうだけど、得意といえるほどのものでもない。
「先生もパソコンは出来るでしょ?」
「教師は学生よりはるかに忙しんや! そんなヒマあるかい!!
あーそうそう、一人当たり十くらいのダイエット法は欲しいから、せやな…三十くらい頼むわ!」
「……30…明日まで………」
あいつの拳が小刻みに震える…やばい!!
みゆきも気づいたのか私と同じで耳を塞いでいる。
「先生耳を――」
「ふざけるなぁぁぁぁー!!!」
私が黒井先生に注意をしようとした直後、大音響が黒井先生を直撃した。
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