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「お母さんに言っといたのよ、私がケーキ作るって」
「そうなんだ〜」
でもほんとびっくり
お姉ちゃんが作ったケーキはわたしの好みの甘さ、好みのクリームの量。
きっとお姉ちゃんしかこのケーキは作れない、わたしにとっての世界一のケーキ
「じゃあ、オレ達」
「そろそろ行くわね」
「あっ、ちょ、ちょっと待て! すぐに、すぐに戻るから!」
それだけ言うと、わたしは素早く居間に戻ってケーキを置いて、自分の部屋からお姉ちゃんのプレゼントを取って戻ってきた。
時間にして三分!
わたしにしては超スピード!
「はぁはぁはぁはぁ、は、はい、こ、これ」
「ありがと、そんなに急がなくても良かったのに………、割れ物注意?」
「う、うん、ペアのグラス………今日でお姉ちゃんは二十歳だし、もう少しで誕生日でしょ?」
こなちゃんに聞いたことなんだけど、いい男にもたれかかって酒を呑むのはいいことなんだって
だから今年のわたしの誕生日はこれ
彼氏さんの二十才の誕生日はもう少し後だから、このプレゼントを使うのはもう少し後になっちゃうけどね
「まあ、オレは本当は成人してるから呑めるんだけどな」
「あんたのいた世界ではでしょ」
お姉ちゃんが呆れた様子で肩を上げる。
うん、お姉ちゃんと彼氏さん、今日も仲がいい
きっとわたしの誕生日プレゼントも二人で仲良く考えてくれたんだよね♪
「ありがとうつかさ、こいつの誕生日に使わせてもらうわね」
「うん!」
今年のわたしたちの誕生日はいつもと違うけど、いつもと一緒
嬉しい楽しい誕生日
「じゃあ、改めてつかさ」
「お姉ちゃん」
『誕生日おめでとう!』