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「だからまずは今度の私達誕生日、今までの借りを返せれる様なプレゼントをつかさに送りたいのよ!」
「どんなのだよ?」
「決まってないから困ってんの!」
「やれやれ」
「何がいいと思う? やっぱり手作りの方が心がこもってる気がするのよねー」
「普通につかさの誕生日プレゼントを売品にしようとしてたオレは?」
「あんたの事は聞いてないの!」
「かがみ、オレに冷たいぞ………」
なにやら言ってる紅い瞳の男を無視して私は言葉を続ける。
「だからなんかない!? 私にしか出来ない手作りのもの!?」
「お前にでも出来るの間違い――、イタッ!」
なにやら言ってくる紅い瞳の男を、常に持参している携帯用六法全書で黙らせて適当にあった雑誌を開ける。
当然の事ながらそう簡単に見つかるはずもなく、雑誌は終わりとなった。
「ないわね〜」
「じゃあこれはどうだ?」
私の彼氏がどことなく一枚の紙を取り出してくる。
書いてあったのは、手作り教室の案内だった。
「お前だったら、つかさの好み知ってるだろ? それって多分ずっと一緒にいたお前にしか出来ないんじゃないか?」
「あっ、うん………、ひょっとしてさっきからこれを探してたの?」
少しの間姿を見えなかったのはトイレかと思ってたけど、そういう理由だったのね
「ち、違う! こ、これは、そろそろちり紙交換があるから、そ、それの整理をだな!」
まくしたてるように言ってくる彼氏に思わず笑みがこぼれる。
やっぱり、頼りになるわね
他人からみたらすっごい馬鹿らしくて勝手な事でも、ちゃんと理解して一緒に考えて、案を出してくれて
悔しいわね
ますます好きになっちゃうじゃない、あんたの事
私の考えてる事が分かったのか、彼氏が気取ったポーズを取る。
「どうだよ見直したか、オレの事?」
「ばーか、調子に乗るんじゃないの」
彼氏の言葉をいなす、天邪鬼な私。
でもきっと分かってくれてる
二人とも天邪鬼だから
「んっ」
目を瞑ると、暖かい感触が唇にふれてくる。
ほらね