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そして私達は集合時間と場所を決めて、家へと帰った。
予想外もいいところである。
そもそもなんであいつはOKしたんだろ
少しくらいは私に好意をもっているということなんだろうか
「デート…なの?」
言葉にしたのが不味かった。
意識してしまう
服をとっかえ、ひっかえしてる
何度もかがみで身だしなみを整えてる
胸の鼓動が早い
「大丈夫、私は冷静、冷静、れいせい」
駄目だ、全く落ち着けない!
そもそも男の子と遊びに行くなんて、もはや記憶にない。
その上に相手はあいつなのである。意識しないほうがおかしい。
「ってやばい!!」
おたおたしている間に、時間がもうぎりぎりだ。
そして私は日ごろあまり着る機会がない可愛いめの服を選んだ。
「あ〜もう、なんでスカートにするかなー!」
私は家を出てものの五分で自分のコーディネートを早くも悔いた。
今の私の置かれてる立場からいって、交通機関に乗っている以外は走らなければ間に合わないほどに時間が切羽詰っている。
その上でのスカート、丈は短くはないが、走ればやはり危ない時が何度か。
かといって遅刻しようもんなら、あいつがどんなに怒るか
そもそも私から誘った形なんだし、遅れるわけにはいかない。
「おねえちゃん、どこ〜?」
1人の小学生の女の子とすれ違う。
どうやら迷子になっているらしく、声的に今にも泣き出しそうある。
とはいえ知り合いならともかく、見ず知らずのお姉さんを探すのなんて困難を極める。
交番を教えてあげようにもこの近くにはない。
そもそも私は急いでいるのだ
『おねえちゃ〜ん! 会いたかったよ〜!』
脳裏に浮かぶずっとずっと昔の記憶。
あの時、私はすっごく心配した。
きっとあの子のお姉さんも
「ねえ、あなた名前は?」
「えっ? ……み、みやかわです」
「お姉さん探すの手伝うわ」
つかさほどではないけど、自分も大概なお人良しである。