2
「失敗した〜こんなんだったら自分で記事内容を確認するんだった〜!」
「別にいいだろ」
乏しめられてるならともかく、良いように書いてあるんならわざわざ目くじらを立てる必要もない。
しかもかがみが育児と仕事を頑張っているのは、パートナーの俺が一番よく知っている。
「だいたいこの手の記事は脚色されるもんだ」
「さすがに説得力があるわね」
「まあな」
俺も若い時は『スーパ』やら『ウルトラ』とかが、頭に付けられて紹介されたもんだ。
もっともその時の気恥ずかしさはハンパじゃなかったけど
「あーもう、れい、私を癒して!」
頬ずりしてくる母親に、れいはきょとんとした表情でそれを受け入れる。
完全に癒しグッズ扱いだ
「まああんまり気にするな」
「どっか行くの?」
「今日は新作ガンプラの発売日」
「あっそっ」
俺が構ってくれないと分かったのか、かがみはれいをあやし始める。
れいには申し訳ないが少しの間母親の機嫌取りをしてもらうことにする。
「別に俺は不満ないからな」
「何に?」
「家族にだ」
取りあえずそれだけ言って俺は家を出た。