「それでさー…あっ!」

 昼食中、話しに勢い余ったかがみの手から片方の箸がすっぽ抜ける。



 パシッ



 それをオレは軽く片手でキャッチし、そのままかがみに差し出す。

「行儀悪いぞ」

「ふん!」

 かがみがひったくるようにオレの手にある箸を取る。

 そしてオレも何を言わず昼食の続きに入る。



 かがみとケンカして2日目。

 あれ以来オレとかがみは会話はしても今みたいな感じだ。

 一言で言うと冷戦。

「の割に、かがみもシンも一緒に食べるんだね〜」

「つかさとみゆきとお弁当を食べに来てるの」

「こいつとじゃないからな」

「あの〜わたしは?」



 とはいえかがみに対する怒りはかなり薄らいできている。

 そりゃあ、言われた時はカッとなったけど、あれがかがみの本心なんて思っちゃいない。

売り言葉に買い言葉、それこそオレとかがみとの間じゃよくあることだ

 ただオレから謝るとこっちだけが悪いってことになってしまうし、それはなんとなく癪だ



 ふとかがみと目が合う。

 その瞬間にかがみがプイッと明後日の方を向く。いかにもわざとらしく。

 クソッ、可愛くない! 最近はオレが謝ってばかりだから、今回は絶対こっちから頭なんて下げてやるもんか!



「フンッ!」

 オレはかがみに聞こえるように音を立てて立ち上がり、昼休みの相手白石達の所へ向かった。



 オレから喋ったらそれはこっちの負けを意味する!





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