計画とは全く違って、シンの家を出ることになった私。

 不幸中の幸いは真夜中じゃなくて人がまだいる時間だということ



 シンのあの発言

 当然、嬉しかった

 シンが私と一緒にいたいという気持ち

 日頃の行いから感じてはいたのだけど、確信が持てなかった。

 でも今日ではっきりした。



 もちろん胸が高鳴った。

 心を通い合わせてる人からのプロポーズ

 これで心がざわつかない方がおかしい



 でも即答を避けたのには訳があった。

 ずっと前からの夢、私はそれに向けて今、行動している。



 どっちが大切かなんて決められない

 どっちも大切、どっちも捨てることが出来ない

 でもそれは私の我がまま



 決められない

 だから嬉しいはずなのに、心から頷けない



 歪む視界をごしごしと拭き取る。

 つらいのはシンだ



 もしも逆の立場だったら

 シンにさっきの私の様にに素っ気ない態度で返されたら

 そんなことを考えると心臓が縮む、息苦しい



 〜これ以上〜♪



 シンからのメール



『いきなりごめんな、本当にごめん』



「違う、違うの!」

 私は目の前にいない相手に首を振る。

 シンは何も悪くない

 曖昧な態度を取った私が悪いんだ



 シンの優しさに甘えた私が



 だからちゃんと説明しよう

 シンに

 例えそれで、私たちの関係が―――



「嫌、嫌!!」



 道から外れて私はただただ嗚咽しか出来なかった。





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