6
「な、何言ってんのよ!?」
「そ、そうだ、ふざけてる場合か!?」
こなたの言葉に私達は猛然と食ってかかる。
「だってさ〜別れたらもう喧嘩しなくてもいいし、余計なストレスを溜め込まなくていいじゃん?」
「そっか〜それだとシンちゃんはまた独身さんだね〜。私と一緒になろ〜」
「まあ、わたしもそろそろお父さんを泣かせたいし、狙ってもいいかな〜」
確かにこいつらならシンの事も分かってるし付き合いも長いけど…だけど………
「ふ、ふざけんなー!!!なんでそれくらいの理由で分かれなくちゃいけないのよ!?
私は誰よりも、あんた達よりも、一番シンを愛してるのよ!!! 出来るわけないでしょ!?」
「オレもかがみと別れるなんて考えたこともないね!!
いくらお前達でも言っていい事と悪い事があるぞ!!!」
私達の剣幕に怯むことなく、こなたとつかさは顔を見合わせて微笑み合う。
「だよねー。だったら二人ともお互いの言ってることは少しくらい聞いてあげよ、ね?」
『うっ………』
どうやら、私達はつかさとこなたに一杯食わされたらしい。
「あのねー毎回毎回惚気愚痴を聞かされる私達の立場も考えてよ!!」
少々呆れ気味にこなたが私達を見る。
『ううっ………』
『返事は!?』
『す、すみませんでした………』
私達はお世話になってる二人に手を付いて謝った。
「よろしい!」
私達の土下座に満足したのかこなたは偉そうに頷く。
「じゃあほら、お互い仲直りの言葉をかけようよ。シンちゃんから」
「え、あ、…いつも言い過ぎて、その、悪かった………。
かがみの事が心配になるとかがみの気持ちとか考えてやれなくて…ただ辛かったらもっと俺を頼ってくれないか?
それでお前に何かあったら、俺は…俺は後悔は二度としたくないんだ…かがみ愛してる」
「OK〜!じゃあ次はお姉ちゃん」
「う、うん―――」
その時私の視界が暗くなり、意識が薄れて行く
「お姉ちゃん!?」
「かがみ!?」
遠くの方でつかさとこなたの声が聞こえて来る。
「かがみ!かがみ!しっかりしろ!!!」
そして聞こえて来る世界で一番愛しい人の声。
私死ぬの? ……シンを残して…私が死んだら誰がシンを守るのよ? シンは誰を守るのよ?
怖い…シンと会えなくなるのが…いや! 助けて…シン………。
私はそこで意識を失った………。