「はいシンちゃん、今日の日替わりランチでーす」

「サンキュー」

 料理を持って来たつかさはそのまま俺の向かいの席に座る。



 つかさは小さなレストランでコックをしてる。今は自分の店を持つための修行中なのだが………。

「やっぱ美味いな〜もう独立出来るんじゃないか?」

「そ、そんな〜まだ無理だよ〜」

 謙遜しているがつかさがここのコックになってから客が増えたとはもっぱらの噂、というより事実だ。

 そりゃこんな器量良しのコックがいたら客は来るだろう。しかも腕も超一流。

 ただ不思議なのはそんなつかさに浮いた話を未だに聞かないことだ。まったく世の中の男共は何をしてるんだ?



「それでお姉ちゃんとはどうしたの?」

「さあな。今日は口も利かずに先に出て来てやった」

 俺は悪戯気につかさに笑う。

「もう! またそんなことしてーお姉ちゃんはシンちゃんが喜ぶと思ってやったんだよ?」

 さすが俺よりかがみと暮らしてる期間が長かっただけあって、かがみの事をよく知ってる発言だ。

「それは分かってるんだが………」

 オレはスープを飲んで言葉を濁す。

 でもどうせ今頃かがみの奴はこなたにオレに対する愚痴を言ってるんだろ。

「心配だなーお姉ちゃん…今日家に行ってもいい?」

「ああ。かがみにガツンと言ってやってくれ」

「そんなこと言わないよー…あっ、昼休み終わりだ〜じゃあまた後でね」

 つかさはそう言うと立ち上がって厨房へと戻っていった。





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