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「お帰り〜」
私は掃除機を止め、旦那であるシンを出迎えた。
私とシンとの間にはまだ子供が出来ていない。
結婚して三年にもなるんだしそろそろ、とは思うけど、今のところそんな気配は全くない。
一度だけシンが子供が出来ないのは自分がコーディネーターだから、と言った事があるけど私はそれを笑い飛ばした。
なんでも、コーディネーターというのは遺伝子を操作しているため生殖能力が低いらしい。
だけど子供が出来ないのはたまたまであって誰のせいでもないし、こればっかりは多少の運と相性の問題だからそれほど私は気にしていない。
まあ、私とシンの相性が悪いなんて事は間違ってもないけど。
そう言った些細な問題もあるが、私達の仲は大旨順調だ。ただ………。
「なんで掃除なんかしてるんだ!?」
問題があるとすればしょっちゅう喧嘩をする事くらいだ。
「だって最近掃除はあんたに任せてばっかりだったし………」
ここ最近私は体調崩して仕事以外の家事はシンに任せっきりだった。
だから今日は体調が比較的良かったので家事をしていたのだが、それがどうやらシンの機嫌をそこねたらしい。
「病人は寝てろって言ったろ!?」
「病人じゃないわよ!! ちょっとふらついてるだけよ!!」
「一緒だ! 一緒!!」
「全然違〜う!!」
こうして今日も私達は大ゲンカをする事になった。