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「あはははは!! それでそれで? どうしたの?」
「それで終わりだ! これ以上あるもんか!」
晩飯の席で腹を抱えて笑うこなたを睨み付ける。
オレのその行動に再びこなたが声を上げて笑う。
「いや〜………、恥ずかしい!」
「うるさい!」
本来はこなたにこの世界にもコーディネイターが本当はいるんじゃないか、と問いただすために、
買い物の時の話をしたはずなのに、気付くとオレが笑われるという理不尽な状況になっていた。
「確かにみきさんは十七歳に見えるしな〜まさに『永遠の17歳』。しかしとんだ災難だったな」
慰めてはくれるものの、そうじろうさんの顔もニヤけてる。
「まあ今後学校の行事で会うこともあるだろうし、その前で良かったんじゃないか?」
「学校行事?」
聞きなれぬ単語が出た為そうじろうさんに思わず聞き返す。
オレが元の世界に戻るまでに、みきさんどころかその娘のかがみにすら、たいして会わないだろうし………
「そうそう、特に体育祭! これがまた楽しみでね」
「は、はぁ………?」
困惑するオレに気付かず、そうじろうさんは何がそんなに嬉しいのか嬉々として分からないことを話し続ける。
「その後は文化祭もあるしね、きっとシン君も楽しめるはずだ」
「一体なんの話してるんですか?」
元々気はそんなに長い方じゃないから、オレはそうじろうさんの話に割って入って質問をする。
「いや、学校は楽しいところだから心配するなってことが言いたいんだよ」
「はぁ………?」
やっぱり意味が分からない
そんなことをオレに話してどうなるんだ?
そうじろうさんはちゃらんぽらんな人には見えるけど、実際にはきちんとした大人だし、ここまでオレを馬鹿にするということはないはずだ。
ということはオレとそうじろうさんの間には何か違う情報が入っている。
そこまで思考が行き着くと、オレは99.999999%の確率で犯人である人物の方を見る。
そもそもおかしかった。
あいつの性格からしたらさっきのオレとそうじろうさんとの会話に茶々を入れてくるはずなのに、それをせずにただあいつは笑っていた。
「いや〜ごめんごめん、シンにはまだ言ってなかったね」
謝る気がまるで感じられない謝罪の言葉。
オレもそんなのを何回かしたことがあるけど、なるほど、これはかなりムカつく
元の世界に戻ったら、仲が良い奴にはしない様に心掛けよう
「シン、君はね」
そこで咳払いを1つして、こなたはオレの方を指差す。
「というわけで学校に行くことになりましたぁ〜」