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 かがみに連れられて、入った場所はファミレスだった。



「ここは私達が放課後よく行くところだから、あんたも覚えておきなさいよ」

 さっきまでの慌てた態度はどこにいったのか、かがみはいつもの如く強気な口調で説明を始める。

 そうは言われてもオレが学校に通うことになっても、ここを利用するかは別問題だけどな



「はいはい」

 さすがにそれを言うとかがみを無駄に怒らせるということは理解できるし、何よりも今は腹が減ってるので、オレはメニューを手に取った。





「ふ〜食べたなー」

「よく食べたわねー」

 かがみはオレの食べっぷりに関心半分、呆れ半分といった感想を述べると、きょろきょろと辺りを見回す。



「あっ、すみません、デザートいいですか?」

「かがみ、お前まだ食べるのかよ!?」

 オレは驚愕ともいえる顔でかがみに言葉を投げかける。

 オレほどの量こそ食べてないけど、かがみは女としてはすでに充分といえるくらいの量を消化している。

 それなのにまだデザートを食べるスペースがこいつにあるってのか!?



「いいでしょ!? ダ、ダイエットは明日から頑張るから!」

「ダイエットしてたのかよ!? ってかそんな様子だと絶対ムリだね!」

「な、なんですってぇ〜!?」

 メニューを荒々しく机に押し付けるかがみ

 オレも大抵は感情を外に出すけど、かがみもまたそうなんだろう



「あんたって絶対モテないタイプだわ! デリカシーなさすぎ!」

「あんた失礼すぎだろ! いくらなんでも!」



 ぶつけた分だけ、返ってくる。

 今まで会った人、そしてこなたともまた違う会話のやり取り。

 ぶつけられてるのに、嫌悪感は感じない。

 目の前の少女には本当にこの世界には色々な人がいると、改めて教えてくれる。



「フッ、ハハハハッ!」

 堪えきれずにオレはついに声に出して笑ってしまった。

 その様子からかがみは馬鹿にされたのかと思ったのか、目付きをますます鋭くする。



「何がおかしいのよ!?」

「そういう意味じゃない」

 オレはかがみを落ち着かせる為に手で制す。

 するとかがみは悔しそうに小さくうねり声を上げる。



 確かにこんな事をしてたら、毎日学校に嬉々として行くわけだ。





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