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「……だからこうなって、アンタもそう思うよな?」
一通りオレの考えを説明してかがみの方を見ると、呆然とした表情でこっちを見ていた。
そして小刻みに瞬きすること数回。
「……シンって、勉強できるんだ………」
「アンタ、喧嘩売ってるよな? 絶対」
オレはかがみを睨みつける。
この様子からすると、オレは相当馬鹿と思われていたらしい
「はっはっはっは、シンはこう見えても前のところでは成績上位者なエリートなのだよ!」
なぜか自分の様に誇るこなた。その上に色々と言葉が多い。
「で、でも今は行ってないのよね? どうし………、も、もったいないわねー」
オレが自分の事を聞かれるのが嫌いなことを知っているかがみは、慌てて途中で言葉を変える。
勿論今回もオレは言う気がない
学校なんかに行ってもしょうがないなんて
言えばオレ自身のことを話さなければならなくなるから
こんななんでもないヤツにオレのことを
それにあっちだってオレの方になんの興味もないのが分かるから
それなのに話しても時間の無駄なだけだ
「…………」
案の定、オレが視線をかがみから雑誌に戻しても、かがみは何も言ってこない。
違う世界で会った少女、と謳えば物語ならさぞかし盛り上がるんだろうけど、実際はこんなものだ
全く関係ない、関係を作りたいとも思わない
「その手があるか」
ただオレとこの世界で少し関係のある少女はそう呟いた。