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「はぁはぁはぁはぁはぁ!」
伝えるんだ、この想いを
「はぁはぁはぁはぁ!」
この胸のときめきを
「はぁはぁはぁはぁ!」
呼び出した場所に、その人はすでにいた
「ご、ごめんなさい、私から呼んだのに」
謝る私
だけどその人は振り向かない
「あ、あのっ!」
私は息を整えると、一気に吐き出す
「あなたのことがずっと、ずっと好きでした!」
その人は振り返り
そして口を動かした―――
周りの光景が歪む。
そして次に見えたのは見慣れた自分の部屋の天井。
ちゅん、ちゅん
カーテンの隙間から雀の鳴き声と朝日が入り込んでいた。
「……夢………?」
意識が混濁していたのは一瞬だった。
ぼす
「なんつー夢だ………」
私は枕に顔を埋め呟く。
妙に乙女ちっくな自分
男に告白しようとしてる自分
どっちも全くありえない
そして極めつけは
「なんで、よりにもよってあいつなのよ………」
昨日一番会話を交わした男子。
ただそれだけなのに、いきなり人の夢に出てくるとは何事か
「……まったく………」
場違いな怒りは動揺を抑える為
この胸のドキドキは久しくなかった感覚、一体いつ頃前なのか、とんと思い出せない。
ただこれはそういう類の夢を見たから、それだけだ、相手は関係ない
そう、きっとそうだ!
『お姉ちゃん、おはよ〜』
実に簡単な結論が出たと同時に、いつもと違ってつかさの方がに私の部屋へとやってきた。