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「お、おいっ!?」
私は予期せぬ来訪者をそうそうと外へ押し出す。
こんなところをお母さんに見られたら、またなんと言ってからかわれるか
「つかさーちょっとこなたとコンビニに行ってくる」
予防線をあらかじめ張り、私はシンに付いて来る様に目で合図をする。
シンは何のリアクションを取らなかったものの、おとなしく私の後を付いてくる。
一体どうしてシンが私の家に来るのだろうか?
シンが私に会いに来たなんてのは、月が西から出て日が東に沈むくらいに絶対にない。
だから可能性は一つ。こなたの代理これしかない。
こなたが怪我とかをしたなら、連絡があるだろうし、さすがのシンも少しは動揺してるはず、でもそれがない。
とするとこなたが面倒臭くなった………
自分でも眉の辺りが引きつるのが分かる。
そりゃあこなたからしたら、たかだかゲームを貸すだけの事なんだろうけど………
それだったら最初から今日行くなんて言ってくるな!
私の腹は完全に煮え繰りかえっていた。
「一体何しに来たのよ?」
近くの公園に着くと、私はシンを問い詰める口調になった。
今回の件に関していえば、シンは悪くない、と心の中では分かってるのにも関わらず
「ほら、こなたから」
しかし私の態度に気付いているのかいないのか、シンは平然とした様子で私にソフトを渡す。
「それとな」
私がそのソフトを手に取ろうとした瞬間にシンが口を開く。
「何があったか知らないけど、八つ当たりならやめろよな
当たられる方はいい迷惑だ」
「くっ………!」
私とシンの視線が中空でぶつかる。
不穏な空気が周りに伝わったのか、遊んでいる子供達の声が途絶える。