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「あいつは本当に………」

 部屋のドアを閉めて溜め息を1つ。

 何かトラブルを起こさないと気が済まないのか



「済まないんだろうな」

 溜め息をもう1つ。



 こなたの何か刺激を、ってのは分からないことじゃない

 どうにもこうにもこの世界は単調だ。平和で代わり映えしないし、刺激もない



 だけどそんな世界は嫌いじゃない

 現にオレも数年前まではそんな人生を笑って送ってたし、それを失った時点でそんな世界が目標だった。

 この世界に来て、笑って生きていけるのがどんなに代え難いかも改めて実感出来た。

 そういうことではこの世界に来た意味はあったと思ってる。



 だからってオレがそんな平和な世界を享受していいとはまた別問題だ

 オレはその平和な世界を守る側のはずだから、そんな眩しい世界で楽しんでいる立場も資格もない。それが力を持ったものの代償



「だよな」

 こなたが教材と称して置いていった漫画の本の山から1冊だけを手に取る。



 なのに気が付くと

 今の生活を楽しんでしまっている自分がいる。

 それが日に日にどんどん大きくなっていっている。



「こんなんじゃダメだ」

 取った時よりも少しだけ乱暴に漫画を戻す。



 オレにはやることがあるはずなのに





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