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帰路に向かう私達、その姿は行きとは全く違う、周りの音が良く聞こえる沈黙。
ショックだったのかシンは、こっちを振り向くことなく歩いている。
……そりゃそうよね、さっきの私の告白は盛り上がってる時に水をぶっかけたのに等しい、恋人として失格。
でも、もしシンが私を優等生と思ってたんなら、結局いずれはバレること
そう、結局遅かれ早かれ
でもいや!
ようやく想いを告げて付き合い始めたのに、本当に一瞬で終わるなんて
でも原因は自分の頭の出来、こればっかりは―――
「よし、決めた!」
いきなりのシンの大声。
そしてこっちを振り返ったシンの瞳は今まで見てきたどれよりも明るく、輝いていた。
「かがみ、オレ1人暮らしするから!」
「はっ?」
シンから出た全く脈絡のない宣言に、私は戸惑いの声を上げる。
「場所は大学の近くがいいよな、で家賃は…待てよ、今からで間に合うのか?」
「えっ………」
「そうじろうさんに聞いてみるか? でも聞いたら意味ないよな〜」
「ちょっと、ちょっと待って!」
快調に勝手に話を進めていくシンを止める。
というか、なんでいきなり一人暮らしの話になるの?
「あっ、ワルイ」
「いや、悪いって言うか………」
これはもう私のことには興味ないということなんだろうか?
でもいくらなんでもこれはあんまりである
「前から考えてたんだけどな」
抗議を上げるその前にシンが言葉を入れてくる。
そして私が言葉を続けなかったのは、その言葉が真剣な時のシンのだったから