「そ、そんなに難しいのか?」

「……うん、私程度じゃ毎日勉強して足りるかどうか………」

「かがみが!?」



 オレは思わず驚きの声を上げる。

 かがみはオレがわざわざ言うまでもないことだけど優秀だ。

 高校の間、結局オレは総合順位でかがみを1度も抜けなかった。

 かがみが合格した大学だって、かなりの難関のはずなのに、

誰一人かがみが落ちるなんて思わなかったし、かがみもそんな期待にあっさりと応えた。



 確かに世の中には上には上がいるというのは知ってるつもりだけど、そのかがみがそこまで言うなんて



「私はみゆきみたいに勉強が好きってわけじゃないし、こなたみたいに要領よくないから

 私もつかさと一緒なのよ、要領よくないし、でもつかさは家事全般できるし、すっごく性格いいし」

 自嘲の笑みを浮かべるかがみ。



「でも私には勉強しかないしね」



 オレは今にも泣きそうに笑っているかがみから目を反らす。

 それはかがみの姿が、痛々しかったという理由じゃなかった

 なんにも分かってない自分に腹が立ったから



 オレは勘違いをしてた。

 かがみはいつも涼しい顔で全部こなしてたから、勝手にかがみをなんでも出来る人間だと思ってた。

 でも本当のかがみは裏ですっごく努力してて、そんな素振りを見せなくて、自分の未来について考えて、歩いてる。



「絶対言わないでね、誰にも」

 なのにオレは、目の前のかがみと過ごす日々のことだけ考えて、かがみの全てを勝手に知った気になってて



 今のオレじゃかがみと付き合う資格なんてない





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