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「うそっ!? もうこんな時間!?」
かがみのその言葉にオレは言った本人よりも驚く。
さっきかがみと会ったばかりと思ってたのに、もう日は沈みかけている。
オレの楽しみを奪う為に、太陽がいつもの数倍の速さで動いてるんじゃないかと勘ぐってしまう。
ただ今日の1日が幻じゃないってのは分かってる。
「子供に戻ったみたい」
思ってた言葉を先に口に出される。
きっとかがみも同じだ、そう思うと今日という日の大切さが2倍になったような気がした。
それは決して1人では味わえなかった感覚。
目の前の少女がオレに与えてくれたもの
「本当に早すぎ」
「?」
かがみの顔にどことなく寂しさが漂う。
今日のデートを終わらせるには確かに名残惜しい。
でもそこまでの顔をする必要があるのか?
「またしたらいいさ、明日はいつでも来るんだ」
「……うん」
オレはそうしてゆっくりと歩き出す。
「大学生って結構余裕あるみたいだしな、毎日ってのは無理だけど2、3日に1回くらいはこうやって、さ」
でもかがみからの返答はなかった。
不思議に思ってかがみの方を振り向くと
横にいたかがみは少し後ろにいた。
「か、かがみ?」
かがみは下を向いてた。何かを耐えるように